個性豊かな地方のテレビＣＭ。そんな中で、九州のローカルＣＭ「ワンダーランド」は、日本を超えて世界にも通用するじゃないかと思うくらい気合いが入っている。
声優界の超有名人を起用
映像を見て驚くのはそのクオリティーの高さだ。「サンダーバード」をほうふつとさせるマリオネット（糸繰り人形）が登場する。彼らは「ワンダーエージェント」と呼ばれるオリジナルキャラクターで、様々なミッションに挑んでいく......のだが、その課題が「テーマ作り」「節電」「結婚スピーチ」「節電」「イタリアン」「ラーメン」「大掃除」など、微笑ましいものばかり。現在は6thシーズンに突入している。
声優のラインナップがこれまた豪華。ゲームのメタルギアソリッドシリーズの主人公、ソリッド・スネークを演じている大塚明夫をはじめ、「ONE PIECE」でニコ・ロビン役の山口由里子、「銀魂」で坂田銀時役の杉田智和、「魔法少女まどか☆マギカ」で鹿目まどか役の悠木碧、「らんま1／2」で早乙女乱馬役の山口勝平が名を連ねている。テレビアニメでも、これほどの出演者が勢ぞろいすることはなかなかないだろう。
ワンダーエージェントの掟：プロローグ（YouTubeより）
ＣＭのワンダーランドは、福岡市小郡市に本社を置くパチンコ・パチスロチェーン。しかし、ストーリーにはパチンコやパチスロは出てこない。最後に社名等がちょこっと出るだけだ。
マリオネットの出来も精妙。例えば、悠木碧演じる研究生のララは当人とAKB48の渡辺麻友をミックスした雰囲気がする。
地元のパチンコ経験者が見れば「ああ、パチンコ店か」と一瞬で理解できるだろうが、知らない人が見れば「どんな企業のＣＭなんだろう？」と興味を持つに違いない。賢いブランディングと評価できる。九州の人は全国に流れていないことが不思議なようだ。
